僕と図書室
図書室は学生時代の僕にとって安息の地であった。
元来読書が好きな僕は小学生の頃から図書室に入り浸っていた。
低学年でかいけつゾロリを読み漁り、高学年になり、歴史に興味を持ってからは偉人の伝記や日本史関連の書籍を読み漁った。
親しい友達が居ないわけではなかったが、如何せん僕はスカした小学生だったので、大勢で行動することにバカバカしさすら感じていた。
今考えれば普通に痛い黒歴史である。
そんな生活をしていれば必然的に中学に上がっても図書室に入り浸る毎日になる。
姉や兄がいたので司書さんとはすぐに打ち解けることができたし、読みたい新刊をお願いすれば他の人より優先的に入れてもらえるほどだった。
中学生の頃は好きなゲーム(テイルズ)のラノベを読み漁っていた。僕の通っていた学校は意外にもゆるいのか、または卒業生の趣味か分からないがラノベが1つの本棚をみちみちに埋めていた。
ちょうどその頃僕は運命的な本との出会いをする。
それこそ森見登美彦 著の「美女と竹林」である。
元はと言えば兄が実家帰省の道すがら、暇だということで買った本だった。
その後兄が忘れていったのを暇だった僕が読んで、その独特な文体と雰囲気にハマってしまった。
僕のブログでの文体も多少なりとも影響を受けている。
ここで、僕の図書室使用歴史上最悪の事件を起こしてしまう。
ある日、僕は数年来の友人Aと図書室にいた。
することも無く暇だった僕とAは別の友人Bの図書カードを使って勝手に本を借りようという話になった。
そこで何を借りるか吟味したところうってつけの本が入口に鎮座していた。
その本はビッグバードビッグブックと言う。
その本は名前の通りクソでかいのだ。
これを見ればいかに大きいか分かるだろうか?
その本は何故か貸し出し可能だったのでこれを借りて、こっそりBの教室のロッカーに入れておけば面白いと考えた僕達は早速借りることにした。
ここでひとつの問題が発生する
デカすぎて恥ずかしい。
図書室からBの教室まではかなり遠かった。
長い廊下を好奇の目に晒されながらせっせか運搬し、やっとの思いでBの教室へ着いた。
何人か教室にいたがそんなことはおかまいなしでBのロッカーへこの本をねじ込んだ。
当然斜めにしたが、奥行きが足りず本の半分くらいがロッカーからはみ出ている状態だった。
ひとしきりやる事をやって大爆笑した僕達は満足したので自分の教室へ戻りそのまま5、6時間目を受けた。
放課後のHRを受けているとBが教室に来た。
何やら僕がロッカーへねじ込んだ本が原因で学級会議になっていたらしいのだ。
何もそんなことで学級会議を開かずともいいだろ。と思ったが、よくよく考えてみればこれはなりすましである。
世が世ではなくとも普通に犯罪行為だ。
中学生だったので自分の担任とBの担任にしこたま怒られるだけですんだが、社会人になって同じような行為をしたら間違いなくお縄であろう。
世の中を知らなかった中3の頃の僕へ
このようなことを繰り返しながら人は成長していくのだ。
みなさんもなりすましにはご注意を
では、良き読書ライフを
余談だがその後ビッグバードビッグブックは貸出禁止になってしまった。借りたかった人たちには申し訳ないことをしたとおもっている。