都会の話
僕は人口3万人にも満たない、小さな田舎町の出身だ。
そんな爺さん婆さんと出稼ぎの外人と精神異常者しかいないような町で20年過ごしてきた。
そんな僕も再就職を機に少し栄えた市へ引っ越してもう1年半経つ。
僕の下宿先はそれでもその市の中でも割と寂れた方だが、生まれ育った町よりかはマシである。
なにより年中スパイシーな香りを漂わせるブラジル人がいない。
それに伴い交通の便が良くなったことで、大きな街へ出ることも多くなった。
都会には様々な人間がいる。
駅前で弾き語りをする人、胡散臭いパンフレットを無理やりポケットの中にねじ込もうとする人、昼間っから酒を飲んで顔真っ赤にして奇声を発する人などなど。
こう見ると地元の方が幾分かマシに見えてくるのは気のせいであろうか?
しかしそんな街の喧騒も、クソ田舎の不気味とも言える静けさに比べたらむしろ心地よいのだ。
田舎に生まれ育ち、都会に多少なりとも憧れがあるせいだろうか。
都会はいつ行っても同じことがない。
駅の広告が変わっているだとか、いつも寒い歌詞の弾き語りがいる場所が盲導犬コーナーになっていたりだとか。
街中を夜にブラブラしていると風俗のキャッチや可愛いのかブスなのかよくわからない顔したフィリピン人に「オニサン、ドウ?」(何がとは言わない)に捕まってしまう。
そんなことを思いながら酒を飲んだ帰りにコンビニで買ったスイートポテトを秒で床に落とし萎える。
都会は日経平均株価のように常に変わり続けていると言うのに、僕という人間のマヌケさは22年経っても変わることはないのだ。
そうして自分に嫌気がさしつつ今日も夜は更けていく。
内容がないと思うだろうが、あくまでもこれは日記帳がわりだ。
こんなブログに内容を求めるのがそもそもの間違いである。
お酒を飲んで眠たくなってしまったので今日はこの辺で。
明日は休肝日